てつじん 第11話「アンパンまみれのご遺体⁈」
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てつじん

〜内藤剛志さん、読書、小物作り、心を癒してくれる趣味色々を綴ります〜
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第11話「アンパンまみれのご遺体⁈」

◆脚本:田辺満/監督:濱龍也(2020年7月23日放送)

<キャスト(敬称略)>
大岩純一:内藤剛志/小山田大介:金田明夫/平井真琴:斉藤由貴

大岩小春:床嶋佳子/笹川健志:本田博太郎/奥野親道:塙宣之
天笠一馬:鈴木裕樹/武藤広樹:矢野浩二/野口秋代:未來貴子
板木聖子:陽月華/井上孝介:菊池隆志/ビビ:黒豆(他)

<第11話ゲスト(敬称略)>
鷺沢麻知子:朝比奈彩/鴨志田伸治:少路勇介/椋木淳史:若林久弥
鳩村直道:姜暢雄/鳩村晴己:森崎海來/鳩村由紀江:春風ひとみ
鳥越彩美:丸山礼/烏丸良美:植松愛/烏丸欣一:かないしゅう
鶴並一清:外波山文明/警察官:宮澤佑/桂木:渡辺穣(他)

<あらすじ>
江東区・東砂の河原であんパンまみれの刺殺体が発見される。被害者はパンの
移動販売をしている椋木淳史、大音量で音楽を流し住民とトラブルになっていた。

近所に住む鳥越彩美という女性が現場から走り去るヤンキーっぽい女性を目撃し
遺体の傍に散乱していたアンパンの包みからは5年前に傷害致死事件を起こした
鷺沢麻知子の指紋が検出された。小山田管理官と平井刑事が彼女の勤め先である
つるなみ食堂に話を聞きに行くが、麻知子は被害者も指紋も身に覚えがないと言う。
しかも彼女はパンではなく”ご飯派”でオムライスが好物だと無関係を強調していた。

しかし椋木が5年前の傷害致死事件の目撃者として裁判で証言をしていたことが判明。
その証言で麻知子は懲役4年の実刑判決を受け離婚、夫と息子とは疎遠になっていた。

<感想>
あんパンまみれのご遺体とは何ぞや⁈となりましたが、パンの入った箱を持っている
ところを襲われたため散乱した。偶然に見えますがこれも犯人の企みのひとつです。

被害者の椋木さんは毎日大音量でパンの宣伝(これがなかなか神経に触る)
住人から苦情を言われても全く意に介していない様子です。そういう性格なのか
炎上目的かは分かりませんが、そんな手法でパンは売れていたのかな?

指紋と目撃情報から鷺沢麻知子という女性が浮上するも彼女はなぜ自分の指紋が
付いていたのか教えて欲しいくらいだと言う。被害者に抗議をしていた鴨志田伸治の
アリバイも曖昧ですが、椋木さんが5年前の傷害致死事件の裁判で証言をしていた
事実が重くのしかかります。この裁判で夫と離婚、息子とも疎遠になっている。

任意で事情聴取をするヤマさんと平井刑事に麻知子さんは「今さら会いたくない」
と言いますが、仕事を掛け持ちして被害者の夫に賠償金を払うなど態度は裏腹です。

回想シーンでは被害者の烏丸良美がわざと麻知子さんを挑発していて気分が悪い。
それでも無言で立ち去ろうとした際、肩に抱えていた荷物が良美さんの背中に当たり
自転車ごと階段から落ちて亡くなった。そんな事情を知りもしない椋木さんがいかにも
殺意があったように証言し、有罪判決を受けたなんて傍から見てもあまり納得が
いきませんが彼女は反論していない。当時夫がどういう態度を取ったのか不明ですが
義母には元々結婚に反対されていたし、自分の立場に絶望したのかもしれませんね。

出所後にいちど訪ねるも「(孫が)大人になるまで会わせない」と追い返される。
つるなみ食堂から出てきた元夫と息子の晴己くんを見かけ、偶然会えるのを期待して
働き始めるなど彼女の苦しい胸の内が明かされます。子供の好物がオムライスだった
ことを知らなかったと自分を責めていたけど、長く会っていないのだから仕方ない。

しかしそれらの会話の中で事件の2日前にぶつかった相手が落としたあんパンを
拾ってあげた事を思い出す。指紋はこの時に付いた...これが真相解明の鍵となる。

洗面所の電気をつけずに手を洗う一課長、帰宅しても事件の事で頭がいっぱい様子。
少しも気が休まりませんが、新しいオモチャに夢中なビビちゃんを見て笑顔になる。

子供と会えなくても満足している親はいる?と聞く一課長にいつも(春菜と)心の中で
会っているから不幸と決めつけなくていい
と答える小春さん。今は穏やかでも
ここまで来るには時間がかかっただろうなと思いました。大岩夫妻がはのようにして
愛娘の死を乗り越えたのだろう?いつかこの経緯についての描写をして欲しいです。

駐車場に戻った一課長の頭上を舞う1枚の羽根...ブランクさんの嫌な予感(笑)通り
鳥の羽をつけた笹川刑事部長が現れる。警察マスコットを考案中というのが理由💦

人は誰しも辛い時や苦しい時は立ち止まってしまう、しかし羽ばたく時がやってくる。
相変わらず奇抜な登場ですが、ホシを挙げて羽ばたけという部下へのエールです。

大福を食べながら会議をする一課長の元へ板木管理官から椋木さんが事件の3日前
交差点であんパンを1個盗まれたとブログに書いていたと報告が入る。こうした部下の
地味な捜査が大きな前進を生むのですね。早速、一課長はそのブログに映っている
交差点を探せと命じます。ざわつく捜査員に「無茶振り上等!」と張り切る板木管理官。

続いて井上刑事も「無茶振り上等!」と叫び、天笠くんも遠慮がちに「上等...」と呟く。
天笠くんは先輩に気をつかった感じだけど、だんだんクセになっているのかも⁈

ブログ名は【ムクノキのブログ】椋鳥は騒がしい鳥ゆえ椋木さんがわざと騒音を
出していたなら確信犯ですね。登場人物全てに鳥の名前を付けるお遊びが楽しい。

犯人はやはり鴨志田さんでした。何度苦情を言ってもやめるどころがバカにされた
ことが動機ですが、偶然見かけた麻知子さんに罪を着せる巧妙で悪質な計画殺人。
司法試験に向け勉強しているため、以前傍聴した彼女の裁判を利用したわけですが
せっかくの知識を犯罪に使うのはくない(自業自得だけど目標も水の泡になったし)
証拠となったドライブレコーダーの映像元がキッチンカーというのも皮肉ですね。

事件は解決しましたが、麻知子さんは息子が大人になるまで会わないという。
つるなみ食堂に来た晴己くんが美味しそうにオムライスを食べるのを見て涙する
麻知子さんに感動しました。おそらく一課長の計らいだと思いますが、元妻がいると
知った上で息子を連れて来た直道さんと少し態度を和らげるお姑さんもよかった。

「あれで充分幸せなのか?」と平井刑事は納得していないようでしたが
ヤマさん「これが彼女の決めた接し方なんだろう」
一課長 「いいんじゃないか、こういう接し方があっても。いつか羽ばたく時が来る」


その言葉通り羽ばたく鳥の映像を流す粋な演出です。今会って困惑させるより
晴己くんが自分で選択し、母子の名乗りが出来る日が来ることを願っています。

麻知子さんが過去に人を殺めたことを知った時はショックで倒れたものの
その後も雇い続け、優しく見守ってくれている食堂の御主人も素敵でした。
過去を償い頑張っている彼女の味方は大勢いる...一課長の目指す所ですね。

帰宅した一課長は早速、オムライスをリクエスト。子供みたいね♪と笑顔の
小春さんも美味しいと喜ぶ一課長も可愛い。相変わらずラブラブなんだから!